マダニ感染症

2025年06月13日 18:19:18

マダニ感染症の現状と獣医師の死亡事例

三重県で、ネコの治療にあたっていた獣医師がマダニ感染症により死亡するという痛ましい事例が発生しました。この獣医師は感染したネコの治療に従事しており、その過程で感染した可能性が指摘されています。獣医師会は、今回の事例を受け、注意喚起を強めています。

感染経路についてはまだ特定されていませんが、マダニに感染したネコからの感染が疑われています。マダニは動物だけでなく、人間にも感染し、重症化するケースもあります。特に、免疫力の低い人や高齢者は注意が必要です。

静岡県では、60代の男性がマダニに咬まれ、「日本紅斑熱」に感染した事例が報告されています。男性は屋外で作業中にマダニに咬まれたとみられています。静岡県内では今年に入って8例目の感染確認となり、県は改めてマダニ対策を呼びかけています。

マダニは、森林や草地などの自然環境に生息しており、人が立ち入ることで咬まれるリスクがあります。マダニに咬まれることで、日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群（SFTS）などの感染症に感染する可能性があります。これらの感染症は、発熱や発疹などの症状を引き起こし、重症化すると死亡に至ることもあります。

マダニに咬まれたことによる感染症が悪化し、死亡に至る事例も報告されています。マダニの活動が活発になるのは、春から秋にかけての時期です。特に、これからの季節はアウトドアレジャーを楽しむ機会が増えるため、マダニ対策を徹底することが重要です。

アウトドアレジャーを楽しむ際には、肌の露出を避け、長袖・長ズボンを着用するようにしましょう。また、虫よけスプレーを使用したり、帰宅後はシャワーを浴びて体を清潔に保つようにしましょう。もしマダニに咬まれた場合は、無理に引き抜かず、医療機関を受診するようにしてください。

今回の獣医師の死亡事例を受け、獣医師会は、動物を扱う獣医師だけでなく、一般の人々に対してもマダニ対策の重要性を呼びかけています。特に、ネコや犬などのペットを飼っている場合は、ペットがマダニに感染しないように注意し、定期的な駆除を行うようにしましょう。

具体的な予防策としては、ペットの散歩時には草むらを避けたり、マダニ駆除剤を使用したりすることが挙げられます。また、ペットがマダニに咬まれていないか定期的にチェックすることも大切です。

マダニ感染症は、人獣共通感染症（ズーノーシス）の一つであり、動物から人へ感染する可能性があります。特に、ペットを飼っている家庭や、自然環境で活動する機会が多い人は、感染リスクが高くなります。

マダニ対策は、個人の努力だけでなく、地域社会全体で取り組むべき課題です。行政機関や医療機関は、マダニ感染症に関する情報提供や啓発活動を積極的に行い、感染予防の重要性を周知する必要があります。私たち一人ひとりがマダニ対策を徹底し、感染症から身を守ることが大切です。