山陽特殊製鋼、日本製鉄の完全子会社へ
TOBにより1株2750円で買収
日本製鉄は2025年1月24日、山陽特殊製鋼を1株2750円でTOB(株式公開買付)により完全子会社化すると発表しました。同社は現在、山陽特殊製鋼の株式50.11%を保有しています。TOBは2月28日から3月31日まで実施されます。買収が成立した場合、山陽特殊製鋼は上場廃止となります。
業績悪化で下方修正
経常利益9%減、下期配当見送り
山陽特殊製鋼は2025年1月31日、2023年3月期の業績予想を下方修正しました。経常利益は前期比9%減の31億7400万円と見込んでいます。当初は35億円を見込んでいましたが、自動車や家電向け製品の需要減が響きました。また、下期配当は実施しないことも発表しました。
特殊鋼事業の強化が狙い
日本製鉄のシナジー効果に期待
日本製鉄は今回の買収により、特殊鋼事業を強化することを目指しています。山陽特殊製鋼は自動車や産業機械向けの特殊鋼を生産しており、日本製鉄の製品ラインを補完できます。また、両社の技術やノウハウを融合することで、シナジー効果が期待されています。
株主への影響
TOB価格は市場価格を上回る
TOB価格は、1月24日の山陽特殊製鋼の終値2596円を上回っています。株主はTOBに応募することで、プレミアムを受け取ることができます。ただし、山陽特殊製鋼は上場廃止となるため、流動性が低下する可能性があります。
今後の展望
日本製鉄グループの一員として成長
山陽特殊製鋼は日本製鉄グループの一員となり、特殊鋼事業でさらなる成長を目指します。日本製鉄の経営資源やグローバルネットワークを活用することで、競争力強化が期待されています。今後の両社の動向に注目が集まります。
参考サイト